Cさんのシミの原因
① これは脂漏性角化症といわれるものです。Bさんのシミについて考えた時に、脂漏性角化症か老人性色素斑か判断しにくいものがでてきましたが、Cさんのようにはっきりと黒く盛り上がっている表面が凸凹したものは脂漏性角化症としてよいでしょう。前にも述べましたが、紫外線による長期的なダメージが原因となります。
② これは老人性色素斑の上に脂漏性角化症が乗っているとかんがえていいでしょう。Bさんのところで述べたことや①で述べたことに重なるのでそちらをご覧ください。
③ これは日光角化症とよばれるものの可能性が高いです。長期間、紫外線にさらされることにより起こるとかんがえられており、60歳以上の高齢者に多いといわれています。イボのような見た目のこのタイプは疣状型(ゆうじょうがた)と呼ばれるタイプの可能性があります。最終的な診断はダーモスコピーによる検査もしくは病理検査となります。
④ これはアクロコルドンやスキンタグといわれるものです。軟性線維種とよばれることもあります。皮膚の老化やこすれるなどの刺激が原因とされています。
Cさんのシミに効果的な治療
では、どのような治療法があるのでしょうか。
① 脂漏性角化症はしっかりと削ることが第一になります。CO2レーザーや電気メスで隆起した部分を削っていきます。削った後は二週間程度軟膏を塗って保護します。そのあとはしばらく遮光に努める必要があります。
② Bさんのところでも脂漏性角化症や老人性色素斑の治療について述べました。隆起のあるものはCO2レーザーや電気メスで削って、その後老人性色素斑をレーザーもしくは光治療器などで治療する、もしくはトレチノインやハイドロキノンなどの美白成分の外用をするのもよいでしょう。
③ これはシミのなかでもやっかいなものです。なぜならは前癌病変といわれるもので、放置しておくと癌になる可能性があるからです。治療は、診断と治療を兼ねた手術的切除か、あるいはイミキモド(ベセルナクリーム)といわれる軟膏を周囲の同じ疾患が疑われる場所を含めて少し広めに塗るという方法になります。手術ができないような方には電気メスやCO2レーザーを用いて削ることもあります。
④ アクロコルドンは主にペタッと張り付いたようなものを差し、スキンタグはぶら下がっているものを指します。ぺたっと張り付いているものは電気メスやCO2レーザーで焼く、もしくは液体窒素による冷却などがあります。ぶら下がっているタイプのスキンタグに関しては根元で切るという原始的な治療が多く行われています。