ノーリス光治療

ノーリス光治療とは

IPLや光治療といった言葉は美容に興味のある方なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。IPLとはIntense Pulsed LightもしくはIntelligent Pulsed Lightの略称であり、広帯域の強力な可視光線を発振するフラッシュランプの総称として使われることが多いです。IPLの代表的な治療としては1999年に米国ルミナス社から発売されたフォトフェイシャル©と呼ばれるものがあり、IPLという言葉自体もルミナスグループに商標登録されています。米国ルミナス社のフォトフェイシャル発売以降、IPLという概念に基づいた治療機器は様々な会社が開発をしており、各社から趣向を凝らした機器が販売されています。当院で用いるノーリスという機械は光線治療装置の分野で世界をリードするデンマークのエリプス社が開発した次世代型光治療機の最新型モデルでI2PLと呼ばれています。最大の特徴としては皮膚冷却装置がなくても安全な照射が可能であるため、冷却によって消えてしまう赤みの治療などにより効果があります。

治療効果

大まかに効果は真皮・表皮に対する若返り効果であり、その作用機序に関しては大きく分けて以下の二つが知られています。

① Selective photothermolysisによるもの

治療効果に関してはレーザーと比較されることも多いのですが、作用機序としてはselective photothermolysis(選択的光熱融解)という概念に基づいているという点でレーザー治療に似ています。Selective photothermolysisとは瘢痕を残すことなく、色のある細胞や組織を選択的に破壊するという理論で、シミの治療や赤アザや血管の治療、脱毛などに応用されています。レーザー治療が単一波長によるものであるのに対し、I2PL治療においては広波長域の可視光を含みます。様々な波長を含むため一台の装置でありながら、シミや血管病変などの治療をすることができるのです。

■しみ・そばかす・色素沈着

メラニンをターゲットに治療を行います。まず顔全体を照射したのち、シミやそばかすなどの色味が気になる部位のみ重ねて照射することにより色調改善の更なる効果が見られます。良好な反応が得られるとマイクロクラストとよばれる薄い痂疲ができ、これが自然に剥がれ落ちる際に色調の軽減を認めます。顔全体に照射することにより、光老化による皮膚の様々な症状の改善も見込めます(くすみ、ハリ、キメの改善など)。3週間から4週間ごとの照射を5回程度繰り返していきます。
肝斑のある方は、トラネキサム酸の内服や美白成分の外用剤による治療を行った後に照射を行います。脂漏性角化症と言われるような盛り上がったシミやADMと言われるメラニンが深い場所にあるようなシミに関しては改善が見込めません。

■毛細血管拡張・赤み

血管の中にあるヘモグロビンをターゲットに治療を行います。太すぎる血管や血流が早すぎる場合は改善がみこめません。1回から3回程度の治療で目立ちにくくなります。照射後に内出血のような変化が起こることもあります。

■にきび、ニキビ跡の赤み

アクネ菌の出すポルフィリンをターゲットに治療を行います。ポルフィリンに光が吸収されることより、活性酸素が発生し殺菌作用があると考えられています。他にも皮脂腺の栄養血管を選択的に破壊し、皮脂腺分泌を減少させる効果もあるといわれています。ケミカルピーリングやイオン導入などの他の治療と組み合わせて行っていきます。

② 熱による作用

光熱作用により真皮コラーゲンに軽微な損傷が起こり、その修復過程においてコラーゲンの新生が起こり、コラーゲン量や密度が増加すると考えられています。これにより、肌のハリや小じわの改善が認められます。他にもI2PL治療によって、分解酵素が低下する、細胞活性を高めるなどの報告がありますが、はっきりとしたことはまだ分かっていません。

I2PL治療の優れた点

治療直後からメイクなどが普段通りにできる
顔面全体の治療が短時間でできる。
レーザーに比べて炎症後の色素沈着などの合併症のリスクが少ない

I2PL治療がレーザーに劣る点

繰り返しの治療が必要で、治療に日数がかかる
一回当たりの治療効果が必ずしも明確でない
治療効果はレーザーに劣る

施術の流れ

① 問診票を記入していただきます
② 洗顔
③ 医師によるカウンセリング(既往や内服中の薬、肌の状態、施術可能かどうか等のチェック)
④ 写真撮影(施術前の状態の記録)
⑤ 施術準備(施術部位の剃毛・ゴーグル装着、髪をまとめる、ベッドであおむけ)
⑥ 照射部位にジェルを塗布しながら施術(テスト照射⇒本照射)
⑦ 照射部位の確認、必要に応じてクーリング(10分程度)
⑧ 終了

※上まぶたとヒゲの生えている場所をさけて治療を行います。

施術を受けることができない人

遮光が十分にできない人、妊娠授乳中の方、光線過敏症の方、レチノイドなどの光線過敏を引き起こす薬剤を内服している方、日焼けしている方、ケロイド体質の人、施行部位にウィルスや細菌・真菌感染が見られる人

リスク

施術前後に刺激感・浮腫・微小痂疲形成、色素異常(色素沈着、施術部位と周囲の境界の明瞭化、既存黒子の顕在化)、持続する紅斑や掻痒、肝斑の悪化

費用

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