八重洲粉瘤クリニック

今日も粉瘤の患者様がいらっしゃいました。
形成外科の小手術で多いものと言ったら粉瘤です。

大きなものから小さなものまで。
場所もさまざま。

「なんかしこりがあるなぁ」ご本人はそんな認識かと思います。

皮膚があるところならどこにでもできるのが粉瘤です。
当院では粉瘤の手術がとても多く、友人に八重洲粉瘤クリニックと揶揄されることもあるほど。
美容をやっているので、あまり粉瘤とかやらないのでは?と思われる方も多いようですが、私は粉瘤の手術が結構好きです。(脂肪腫の手術もすきです♡)

場所によって皮膚の厚さや緊張のかかる向きが違うので、一番傷が目立たないようにデザインし手術をします。
日々ほんの少しずつ大きくなる粉瘤ですが、忙しい方は痛みが出たり何か症状が出てからクリニックにいらっしゃる方が多いです。
大きくなると手術で取ったときの傷跡も大きくなるのでできる限り早めの受診をすすめますが、、なかなかそうはいかないようです。

受診時の状態による治療の目安ですが

・赤くはれて軽い痛みを伴うものは抗生剤の内服をまず試み、腫れが軽減したところで手術を勧めます。
・赤くはれて痛みの強い場合は、くりぬき法で中の膿を出します。赤みや痛みがある程度落ち着くまで時間がかかります。炎症の程度によって処置の方法が変わります。
・痛みのない場合は低侵襲な手術が可能です。一度も炎症を起こしたことがない(痛くなったことがない)ような粉瘤の場合、くりぬき法といわれる小さな傷での手術が可能な場合が多いです。
 皮膚の厚い場所や粉瘤を取った後に大きな穴が開くような場合には紡錘形に切除する事が多いです。

今日はぎりぎり摘出できるレベルに炎症のある背中の3cmの粉瘤の患者様がいらっしゃいました。
炎症がある組織は出血しやすく、しっかり止血しても血腫といわれるものが皮下にできる可能性が高いのでドレーンという管を傷口から留置しました。そのドレーンは翌日もしくは翌々日に抜くことが多いです。

16.2.4 No.294(6)写真は少しぼかしてあります。お写真提供ありがとうございます

 
大きくなってしまった粉瘤の上部の皮膚は薄ーく引き伸ばされてしまっていることもあるので、残すのがよいのか、切除するのがよいのか、粉瘤ごとに違ってきます。

絶対くりぬき法でやってほしいとおっしゃる患者様がたまにいらっしゃいます。
しかし、ただ皮膚の傷がちいさければいいのでしょうか?

そんなことはないと思います。

皮膚の傷もきになりますが、へこみも整容的には重要な要素です。

大きな穴ばぽっかりあくようなこと(死腔といいます)が予想される場合や皮膚が伸びきって薄くなってしまっている場合はある程度皮膚を切り、死腔を埋めるように縫うことできれいな傷あとになるのです。
術後、死腔に血液がたまると感染の原因にもなりますし、感染を起こすと傷跡は汚くなります。

たかが粉瘤ですが、色々な要素を検討し、手術しております。

気になる方は大きくなって痛くなる前にぜひお越しください。