美容皮膚科のカウンセリングは、単に希望を聞く時間ではありません。
当院にはない治療について、
「他院でこの治療を受けたいのですが、どう思いますか?」
とご相談を受けることがあります。
私は普段からアンテナを張り、新しい治療や機器については、
可能なものは自分自身で試します。
文献や海外情報も含めて情報収集を行っています。
たとえばソフ〇ーブ。
日本に上陸する前、まだ国内のクリニックに1号機が納入される前の段階で、実は試しています。
日本人向けのプロトコルも、まだ確立されていない時期だったと思います。
その結果、当院では導入を見送りました。
理由はシンプルで、
当院のコンセプトには合わないと感じたからです。
先日、当院でじっくりと「肌育」を続けてこられた患者様が、
このソフ〇ーブを受けていらっしゃいました。
事前に「受けてくる」と聞いていましたし、それ自体は問題ありません。
ただ――
施術後、アンテラで皮膚状態を一緒に確認したとき、正直、がっかりしてしまいました。
肌の質感は低下し、
たるみに対する効果も、期待したほどではない。
それどころか、肌にはマイナスの影響が出ていました。
しかも照射したのは、きちんとした有名な先生です。
原因は明確でした。
刺激が、強すぎる。
## 強い治療が、すべての肌に良いとは限らない
初めて美容医療を受ける方や、
「とにかくガツンと変化が欲しい」という方には、向いている治療なのかもしれません。
しかし、ある一定の年齢以上の肌にとって、
過度な熱入れや強い刺激が、必ずしもプラスになるとは限りません。
これはソフ〇ーブに限った話ではありません。
どんな治療にも、
必ず「プラスの効果」と「マイナスの側面」が存在します。
効果がはっきり分かるレーザーや熱治療ほど、
炎症を惹起し、メラニン悪化や肌バリア機能の低下、乾燥を招くリスクも高まります。
実際こうしたことは、
医師向けの教科書にも詳しく書かれていませんし、
もちろん機械の代理店が教えてくれることもありません。
毎日、患者様の肌と真剣に向き合っているからこそ分かることです。
小さな変化を見逃さず、追っていく。
それが美容皮膚科診療の本質だと思っています。
カウンセリングとは「聞くこと」ではなく「予測と選別」
私が考える美容皮膚科のカウンセリングとは、
単に患者様のご希望を聞く時間ではありません。
その治療を行った場合、
「どこが良くなり、どこにリスクが出るのか」
「今ではなく、半年後・1年後にどうなり得るのか」
それを予測し、選別する作業だと考えています。
私が考える美容皮膚科のカウンセリングとは、予測と選別の作業です。
やるべき治療を決めること以上に、
“やらない方がいい治療を見極めること”
それこそが、美容皮膚科医の仕事だと思っています。
そのため当院では、
医師が時間をかけてカウンセリングを行う。
施術によって得られるプラスの面と、起こり得るマイナスの面を
経験や自験例から推測。
その上で治療を選択します。
これこそが美容皮膚科の醍醐味であり、
医師の腕の見せ所です。
## 美容皮膚科における「経過を見る」という仕事
どれだけ長く美容皮膚科をやっていても、
どれだけ症例数を誇っていても、
たとえ皮膚科の教授であっても――
施術と肌の変化を「一対一」で追っていない医師には、できないことがあります。
「肉眼で見ています」と言われることがありますが、
正直に言います。
人間の記憶力は、PCレベルではありません。
一人の患者様の、
1か月前の肌のテクスチャ、
メラニンの分布、
赤みの程度を正確に記憶し、
頭の中だけで比較できるでしょうか。
――無理です。
どんなに優れた医師でも、
記録装置や解析装置で前後や経過を並べなければ、
“正常範囲の中の微細な変化”を捉えることはできません。
私自身も、
11年の相棒である画像解析装置「アンテラ3D」がなければ分かりません。
当院では、すべての医師が皮膚解析装置を用います。
そして必ず
施術前後・経過を一対一で確認しながら診療を行っています。
そこで得られた学びを、
次の患者様の診療へとつなげています。
八重洲の地で開業して11年。
愚直に美容皮膚科と向き合ってきました。
当院にある治療メニューは、すべて厳選したものです。
万人受けする治療もあれば、ニッチなニーズに応える治療もあります。
たとえばCO₂フラクショナル。
頻繁に勧めることはありませんが、開業当初からメニューに残しています。
多くの治療の選択肢があるからこそ、
「先に行う治療」「最後の選択肢」
そのすみ分けができます。
それを判断するのが、ドクターの仕事です。
たるみ治療機器も、高周波治療機器も多数そろえています。
その中から、
その方の肌状態、年齢、これまでの治療経過に合わせて、
都度、最適なものを選択していきます。
美容皮膚科は「病気」を相手にする医療ではありません。
そのため「診断」という言葉は少し違うかもしれませんが、
当院の美容医療は、
通常の医療と同じように
医師の診察によって方向性を決め、
結果を受けて再考し、
必要に応じて軌道修正を行いながら、
一人ひとりに合わせた治療を積み重ねています。
最近「カスタマイズ治療」という言葉をよく耳にしますが、
本来それは特別なことではありません。
患者様一人ひとりに合わせて、
必要な治療を選び、提供する。
それが、私の理想とする美容医療です。
当院はこの11年間、
その「当たり前」を愚直に実践してきました。
多くの患者様がリピートしてくださり、
かつて美容医療に向かないと言われた八重洲の地で
根を張ってこられたのは、
一人ひとりの患者様からの支持があったからこそだと思っています。
当院では、美容皮膚科のカウンセリングを診療の中核に据えています。