先日、クラシエ製薬の主催するセミナーに参加してきました。
お目当ては、日本医科大学形成外科 主任教授 小川令先生による
「ケロイドと肥厚性瘢痕は完治する 機序から柴苓湯を含めた最新治療まで」でした。
当院は形成外科を標榜しているため、保険診療でケロイドにお悩みの方やケロイド体質だけれども手術をしたいという方がいらっしゃいます。
最新の治療について知識を再確認してきましたよ。
ケロイドと肥厚性瘢痕は
・体質(遺伝因子:SNPs、全身因子:高血圧・テストステロン・妊娠・熱傷後のサイトカイン↑など)と局所因子のバランスによって発生する
・糖尿病は悪化因子ではない。
・本質として、真皮網上層に続く炎症であり、繰り返される進展刺激によって悪化する。
→張力の分散、炎症を抑える治療が有効
・ステロイドの注射は正常組織との境界部の真皮網状層をめがけ細い針を使用することにより痛みを大きく軽減できる。
・外用として貼付剤であるドレニゾンテープがよくつかわれているが、strongクラスのステロイドであるエクラープラスターなどがより有効。
・シリコンジェルシートを貼付する場合、大きく貼ることが大事。(固定、物理的刺激の減弱のため)
・術後のテーピングは言うまでもなく有効。頻繁に張り替えるとかぶれるため、張りっぱなしでもよい!かぶれたときはテープの上から薬剤を塗布。
日本医科大学では手術+放射線療法でケロイドの治療結果がとても良いようです。
当院では放射線療法との併用はできませんが、
ケロイドの予防や保存的治療、注射、外用剤の処方、小手術などは行っております。
お悩みの方はぜひご相談ください