「皮膚の健康は保湿から」
日本では保湿剤が保険診療で処方されます。
一部で問題視されているようですが、健康な肌を維持するには保湿が欠かせません。
健康な肌とは肌バリアがしっかりと機能している肌のこと、乾燥している肌のバリア機能は落ちていますので、
ざっくりというと 健康な肌≒潤っている肌 といってもいいでしょう。
肌のバリアとはつまり外の世界の刺激から体を守る大事な膜です。
乾燥によってこのバリアは防御機能がぐっと落ちます。
また、乾燥はかゆみの原因になったり、
かゆいとかきむしることで肌が物理的に損傷してそこから刺激がおこり、さらに悪化する、といったことも。
保湿しなくてもしっかり潤っている肌が理想ですが、
肌自慢の私でも冬の強い風や乾燥、花粉の多く飛散する時期には肌がごわごわ、、肌に一枚バリア作らなきゃ、、という意識が働き必要に応じて保湿します。
話はそれてしまいましたが、保険で処方可能な保湿剤にヒルドイドという薬剤があります。
このヒルドイド、いろいろな剤形、つまりテクスチャーのものがあります。
皆さん何となくで使っている方が多いかと思いますが、どういった使い分けをするのが良いのでしょうか。
◆◇ヒルドイドのテクスチャー(剤形について)
現在販売されているヒルドイドには
①ローション
②クリーム
③軟膏
の三種類があります。
夏頃には泡で出るタイプのものが発売になる予定です。
(類似品であるヘパリン類似物質の保険処方薬にはすでにスプレーで出るタイプや泡のものが既にあります)
◇◆乾燥の度合いによる選び方
保湿力という点でいうと
被覆性が高いものから順に①軟膏②クリーム③ローション
なので乾燥している時や冬季には①の軟膏を選ぶのがよいでしょう。
◆◇肌の状態による選び方
肌にトラブルがある場合、軟膏をえらびましょう。クリームはアルコールを含むため、バリアが破綻したところに塗るとしみることがあります。
アトピーや湿疹がある場合は、軟膏タイプを選び、湿疹部位はステロイドの外用薬などを用います。状態が改善してきたらクリームに変更することが可能です。
また、軟膏は保湿効果も高く、しっかりと被覆したい部分例えば 踵やひじ、腕、手などに向いています。
◇◆塗りやすさによる選び方
べとつきが少なく伸びのよいローションが一番塗りやすいのではないでしょうか。特に顔や頭皮には塗りやすくテカリのすくないローションやクリームがおすすめです。
保湿は一日一回より二回の方が効果が高いことがわかっています。
夜の入浴後は少し時間をかけて軟膏を塗る。朝の保湿を追加するなら塗りやすいローションやクリームで朝の保湿をクイックに行うという選択もありです。
ちなみに塗布量の目安は、「塗った場所が少してかってティッシュペーパーがつく」くらいが理想です。
保湿剤をうまく使い分けてバリア機能の高い肌をめざしましょうね。
2018.04.06