【次世代ヒアルロン酸】バイオエクスパンダーとバイオリジェンとは?
ヒアルロン酸注入による美容治療はここ数年で大きく進化しています。
特に「バイオエクスパンダー(Bio-expander)」と「バイオリジェン(Bioregen)」は、従来の製剤と異なり、肌の再生力そのものを引き出す“肌育”効果を持つ次世代型のヒアルロン酸注入剤です。
この記事では、2つの製剤の効果や、ダウンタイム、口コミや症例などを紹介していきます。
ほかの製剤との違いが知りたい方は、過去に院長が書いたこちらの記事も併せてご覧ください。
【バイオリジェンとは】”肌を育てる“ECMリモデリング製剤”
イタリアのRegenyal Laboratories社が開発し、2015年に販売を開始した「バイオリジェン(Bioregen)」は、非架橋ヒアルロン酸ベースの多重分子量ヒアルロン酸で構成された“ECMリモデリング製剤”です。
バイオリジェンには主に6つの効果があるとされています。
①老化の予防
②光老化から肌を保護
③肌質改善
④肌のトーンアップ
⑤小じわの修復
⑥ハリ、皮膚の厚みを改善
メーカー独自の技術で高純度の非架橋のヒアルロン酸を超音波処理し、5つの異なる分子量に断片化しています。以下の3つの作用(Bio-induction”生体誘導”)で、肌の老化を根本からケアします。
■再生:オリゴマー分子量(2kDa)で内皮細胞の血管新生促進・コラーゲン生成
■再構築:中分子量(10〜50万Da)で線維芽細胞の増殖・ターンオーバーを促進
■保水・抗酸化:高分子量(100万Da)が水分保持とフリーラジカル除去に寄与
注入は真皮層にマイクロパピューレ法で行い、2〜4週間おきに3回施術するプロトコルが推奨されています。
(当院ではこちらの製材のKOLをしている院長の指導のもと、一人ひとりに適切な注入法でカスタマイズし注入していきます)
似たような製剤が他にもございますが、バイオリジェンはオリゴマー分子量のヒアルロン酸がごくわずかに(1%以下)含まれており、それが治療効果を高めています。また、ヒアルロン酸は分子量の違いによってさまざまな効果が期待できますが、多重分子量のヒアルロン酸(分子量の異なるヒアルロン酸が組み合わさっているもの)は異なるサイズのヒアルロン酸が同時に存在することで単一分子量では得られない段階的で複合的な効果が得られると考えられています。
【バイオエクスパンダーとは】”1回でボリュームと肌質を同時に改善”
次世代肌育フィラー!
「バイオエクスパンダー(Bio-expander)」は、2種類の高分子低架橋ヒアルロン酸とバイオリジェンを層状に組み合わせた特許構造のハイブリッド製剤。ボリュームアップと肌育を同時に実現します。
同社の特許技術「BIORIVOLUMETRIA(ビオリボルメトリア)」により、次のような特徴があります。
■自然なボリューム形成:2種類の高分子量(200万・100万Da)ヒアルロン酸で凹みをリフトアップ
■肌育効果(ハリ・トーン・弾力の改善):ヒアルロン酸と交互に配置されたバイオリジェンが皮下組織を再生し、肌質と恒常性を改善
■即時効果と長期持続性:層状構造により、酵素による分解から保護され、ゆっくりと薬剤が放出
注入は付属のカニューレを使用し1回の治療後、4~6か月後に1度リタッチをすることが推奨されています。個人差はありますが、比較的持ちもいいのが特長です。
モニター様の経過を見ていると、部位によっては3か月後でも注入直後と同等のボリュームが保たれていました
【2つの製材の位置づけ】使い分けは?

このように異なる特長を持つ製材ですが、上記の画像のように、ボリュームの無くなった肌にまずはバイオエクスパンダーを注入します。そこでふっくらと引き締まった肌に、さらにバイオリジェンを追加することで、より成果を出すことが出来ます。
当院では、これらの製剤をいち早く導入し、画像解析機器による評価とともに、患者様にも確かな効果を実感いただいています。
症例をご覧ください。
【臨床写真1】
📸 バイオエクスパンダー注入(額)50代後半 男性 額のしわ
まゆげ挙上時、シワに垂直に初回のみカニューレ1.4cc。0.4ccしわにボーラスで。
画像:眉毛挙上時治療前/1ヶ月後/2ヶ月後/3ヶ月後
アンテラ3D写真 上:シワモード / 中段:3D解析 / 下:3D真横断面

深く刻まれたしわが浅くなっているのがわかります。
一番下の段の画像は額のしわを横から見た皮膚解析装置の画像です。ハート形に見えた深いシワが平坦になっています。
※患者様の同意のもと掲載
【臨床写真2】
📸 バイオエクスパンダー注入(額)40代後半 男性 額と目の下、頬前部
額と頬前面に2本使用 2.2cc 額ボトックスを同時に施行
画像:額、頬前面治療前 / 1ヶ月後 / 2ヶ月後 / 3ヶ月後 / 4ヶ月後
ベクトラ写真
額の刻まれたしわが浅くなり、4か月が経過しても目の下にハリがでており、たるみが改善されています。

※患者様の同意のもと掲載
アンテラ3D画像:上段 テクスチャモード / スコア 3D真横断面

※患者様の同意のもと掲載
通常のボリュームを出すだけの架橋ヒアルロン酸で注入してもここまでの皮膚の変化は出ません。ボリュームの補充以外にみられる肌への影響、というのがバイオエクスパンダーの特徴でもあります。
また、細胞のリモデリングが起こっている、と考えられる根拠として注入後早期に一度テクスチャーやシワなどが大幅改善した後、徐々に2から3か月目までかけて再度戻ります。その後また改善が見られるのです。
【臨床写真3】
📸バイオリジェン+ジャルプロクラシック混合 2週間毎に3回全顔に注入 60代後半 女性
画像:全顔注入前 / 2週間後 / 1か月後 / 2か月後 / 3か月後
アンテラ3D写真 上:カラーモード / 下:テクスチャーモード
全体的にハリがでて、毛穴の減少とたるみが改善されています

※患者様の同意のもと掲載
頬内側のしわ、くぼみ、毛穴が改善しボリュームアップと肌の滑らかさが得られました。目の下の段差も目立たなくなっています。
ベクトラ写真

※患者様の同意のもと掲載
オレンジから黄色はボリューム減、水色は増を表しています。目の下の段差が改善され、頬外側の凹凸が改善してなだらかなカーブを描くようになったのがご覧いただけると思います
【臨床写真4】
📸 バイオエクスパンダー5本注入(額)40代前半 女性
頬前面+頬骨下のこけ+頬のカーテン皺へ注入
ベクトラ写真

※患者様の同意のもと掲載
頬のラインがスムーズになり、若々しい輪郭になっています。
【臨床写真5】
📸注入経験なし 頬前面はバイオリジェンのみ
全顔に2週間毎にバイオリジェンを3本 3回注入
三回目注入時に唇に1本バイオエクスパンダーを注入しました。
額とほほ外側にはバイオエキスパンダー
画像:注入前 / 3回治療直後 / 3回治療後1か月 / 3回治療後2か月 / 3回治療後3か月
ベクトラ写真

※患者様の同意のもと掲載
加齢に伴い唇はボリュームが失われます。バイオエクスパンダーの唇への注入ははボリュームがでるだけでなく、ヒアルロン酸が水を引き寄せるため、カサカサしていた表面が改善し、患者様本人もつやっとしたと自覚していらっしゃいました。
アンテラ3D写真 テクスチャーモード

きめが整っているのがわかります。
こちらも、施術後早期に良くなり、効果がいったん落ちたのち再度テクスチャの改善が得られました。
※患者様の同意のもと掲載
安全性評価と副作用について
市販後調査では重篤な副作用は報告されておらず、腫れや赤みなども一過性。現時点での使用においては、安全性の高い製剤として評価されています。
こんな方におすすめ
■肌のハリや弾力、トーンを同時に改善したい方
■自然な仕上がりを希望する方
注入剤治療の新たな選択肢として、当院での導入以降、多くの患者様から高評価をいただいております。
また、バイオリジェン・バイオエクスパンダーともに「二峰性の治療効果」がみられました。直後の効果を実感しつつ、忘れたころに(3か月後くらいに)また効果の実感があるのが特徴です。
従来の肌育製剤単独では満足度が低かった年齢の高い患者へのファーストチョイスとなりうる肌育フィラー製剤です。
肌育・自然なボリュームアップの新しい選択肢としてバイオエクスパンダーとバイオリジェンはいかがでしょうか。
当院は中央区に位置し、東京駅からも近い為、遠方の患者様にもアクセスしていただきやすくなっています。
ご予約はお電話(03-6265-1981)、もしくはこちらからお待ちしております。
■当該製品は日本での承認は取得しておりませんが、ヨーロッパのCE承認クラス3を取得しています。 治療に用いる医薬品および機器は当院医師の判断の元、個人輸入手続きを行ったものです。 個人輸入において注意すべき医薬品等について詳しくはこちらをご覧ください。
