傷跡はできるだけ目立たない方がいい。そう思います。
しかし一度できた傷跡は消えることは100%ありません。
どんな名医の手術でも必ず跡はのこるのです。
ただ、その跡が目立つか目立たないかという違いがあります。
皮膚を切れば必ず傷跡が残ります。手術でも傷跡はのこります。
しかし傷跡を目立ちにくくするためのコツがたくさんあります。
傷跡を真剣に考え、手術を行うのが形成外科医の仕事です。
怪我をして顔に傷ができてしまったとき、まずは形成外科を受診してほしいです。
なぜなら怪我の傷跡は最初の処置によって大きく結果が異なるからです。
先日、転倒してできた眉毛部の傷跡が気になると受診された患者様がご来院されました。眉毛をまたいで縦に入る傷はへこみもあり目立ちます。
怪我をした際に病院には行ったものの、怪我をしてから時間がかなりたっていたので縫わずに処置だけした、とのこと。
傷が治った後は眉毛外側の盛り上がりがきになり、形成外科を受診したけれども、とりあえず待ちましょうといわれたとのことでした。半年待ったけれどもへこみもかわらないし手術をしたい、という流れでW形成術を勧めました。
w形成術とは長い線状の瘢痕(傷跡)をジグザグの短い線状瘢痕にかえることで多少の瘢痕拘縮を除去し、人間の目の錯覚から瘢痕を目立たなくするものです。手術後の瘢痕がW字に見えることからこの名前が付けられています*₁。
W形成術の適応としては
①軽度のひきつれ、
②直線の傷跡をジグザグにして目立たなくする
③へこんだ傷の修正
④縫合後の傷跡の修正 などです。
ただギザギザに切って縫えばいいだけでなく、仕上がりの縫合線を予測し、仕上がりの段階での傷跡が皮膚にできるシワにできるだけなじむように切ります。
(ですから、なかなか手術が始まらないのは、どうすれば一番きれいに仕上がるかシュミレーションしているんです。お待たせしてすみません。)
へこみが改善するように皮下も処理して細かい皮弁も丁寧に縫います。
W形成術という手術は派手さのない地味な手術ですが、デザイン通りにカチッと皮弁が決まると、実はこっそりテンションだだ上がりです。細かい三角形の部分を縫うのも地味な作業ですが、、こういう作業が好きなのが形成外科医なんです。
楽しい手術です♡
上の写真は縫った直後ですが、この時点ですでにへこみは改善しております。
抜糸直後が上の写真になります。へこみも改善しましたし、長い直線の傷跡がジグザグになったことにより、線として認識されにくくなっていると思います。
傷はこの後三か月くらい赤みが強く、1年くらいかけて白っぽくなっていきます。
傷跡でお悩みの方はぜひご相談ください。
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*1 形成外科手術書 南江堂 鬼塚卓彌著