肩こりや頭痛が治らない…

原因不明の肩こり・頭痛?

肩こりに悩まれる方は整形外科を、頭痛に悩まれる方は内科を受診するかと思います。ただ、受診しても特にはっきりした原因がわからず、湿布や鎮痛剤などを処方されるだけであまり改善しないといった経験はないでしょうか。

急激に起こった激しい頭痛や、ろれつが回らなくなるなどの症状を伴った頭痛などは別として、肩こりからくるような頭痛の原因として瞼(まぶた)が原因となっている可能性があります。なんとなく肩が重く、頭痛に悩まれている方は以下の10項目をチェックしてみてください。

□額に横シワが多い
□目と眉毛の距離が昔に比べて長くなった
□眉毛の位置が高くなった
□いつも顎が上がっている
□二重の幅が昔に比べて広くなった
□長期間ハードコンタクトレンズを使っている
□上まぶたのくぼみが顕著である
□白内障や緑内障などの眼内手術を最近受けた
□アトピー性皮膚炎などがあり、目をこすることが多い
□瞼が重いと感じる

当てはまる項目はいくつだったでしょうか。当てはまる項目が多いほど、その肩こりや頭痛の原因が眼瞼下垂といわれる上まぶたの症状から来ている可能性があります。
眼瞼下垂とは、顔を正面に向けたときに上まぶたが瞳孔の上まで上げられない状態のことを指します。原因や程度は様々で、原因によって、解決方法は異なります。

眼瞼下垂の種類

眼瞼下垂にはどのようなものがあるのでしょうか。大きく以下の三つに分類することができます。

① 生まれつきまぶたが下がっている「先天性眼瞼下垂」
② 生まれた時にはまぶたは下がっていなかったがその後下がってきた「後天性眼瞼下垂」
③ 一見、眼瞼下垂の様に見えるが、実は違う「偽性眼瞼下垂」

この三つのうち最も頻度の高いものは②の後天性眼瞼下垂と言われています。後天性眼瞼下垂の中でも頻度が多いものが腱膜性の眼瞼下垂と呼ばれるもので、上のチェック項目に当てはまるものが多い方はこれに該当します。

腱膜性眼瞼下垂の「腱膜」とはまぶたを持ち上げる筋肉の末端の膜のことを指します。年齢を重ねるにつれてこの部分に徐々にゆるみが生じてくるために、まぶたの筋肉だけでは目を開けることが難しくなってきます。そのため、代わりに額の筋肉を使ってまぶたを持ち上げようとして眉毛の位置が高くなり、額にシワがよります。さらに見えにくい場合は顎を持ち上げて視界を保とうとするのです。こういった間違った姿勢を長く続けることが、肩こり、頭痛、眼精疲労の原因となるといわれています。他にもミューラー筋を介した自律神経症状により肩こりや頭痛が起こるという説もありますが、真偽のほどははっきりしていません。

眼瞼下垂を治すには

残念ながら眼瞼下垂の治療法は手術しかありません。原因や下垂の程度により手術の方法も異なりますが、腱膜性眼瞼下垂の場合は主に挙筋短縮や挙筋前転法と言われる方法を行います。これは二重のラインから皮膚を切り、原因である伸びてしまった挙筋腱膜をしっかりと縫い付ける手術です。他にも、症状が軽い場合は径結膜的挙筋腱膜タッキング術という皮膚を切らずに糸で固定する、比較的簡便な手術なども行うことがあります。

眼瞼下垂の治療は主に保険診療となります。手術の適応についてはしっかり診察をした上で決定します。眼瞼下垂は、あくまでも肩こりや頭痛の一因に過ぎないですが、これを読んで少しでも気になった方は一度医療機関を訪ねてみて下さい。少なくとも、眼瞼下垂を放置しておくと顔のシワがひどくなることは間違いないですから。

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