男性型脱毛症(AGA: androgenetic alopecia)とは
前頭部・頭頂部の毛が薄くなったり、禿げてしまったりする状態のことで、若年・青春期以降にみられます。発生原因は遺伝子によるものと原因不明のものがあり、どちらも毛根中の過剰な男性ホルモン(テストステロン)が5αリダクターゼ酵素によって分解されてジヒドロテストステロン(DHT)に変化しすぎることにより毛周期が乱れ、本来2年から6年程度である毛の成長期が短縮するために起こると考えられています。成長期が短縮することにより、毛髪がしっかりと太くなる前に生え変わってしまい、薄毛になるのです。
ほかにも血流が関係していることが知られています。実際、疎毛や禿髪がみられやすい場所である前頭部や頭頂部は解剖学的にも血行が不足しがちな場所であり、血行不全を改善することも治療効果を出す大切なポイントとなっています。
診断の基準
両側の耳の穴から頭の上に向かって垂直に引いた線より、2cm前方のラインより禿げ上がった場合はAGAといえます。
検査
毛髪遺伝子検査:血液を採取し、調べることで5αリダクターゼ感受性を確認します。今後の減毛の可能性や内服治療の指針となります。ほかにも内服薬開始前後に採血検査を行い、肝機能障害などの合併症を予防します。
治療
内服治療とHARG療法、外用治療があります。単独での治療よりも組み合わせて行うことにより高い治療効果が得られます。