ヒアルロン酸とは
ヒアルロン酸は人の体内にも存在する成分で、日々体内でも代謝されています。治療に使われる注入用のヒアルロン酸製剤はバイオテクノロジーによって生産され、構造の違いによって硬さや持続する期間が変わってきます。様々な特徴を持った製品が世界で発売されております。麻酔薬の入った痛みの少ないもの、柔らかく形を作る効果には乏しい一方で肌に良いビタミンなどを含んでいるもの、硬く容積増大効果に優れているものなど、一概にどの製品が良いとは言えず、治療部位や目的に応じそれぞれの製剤の特性を生かすことが必要になってきます。
治療効果
シワ治療
表面が溝のように凹んだすべてのシワに適応がありますが、注入部位の皮膚の厚みなど様々な要素によって効果の出方は異なります。また、場所によって使うべきヒアルロン酸が異なります。ヒアルロン酸は注入後水分を引き込んで少し体積が増すことがあるため、過度な注入を避ける目的で数回に分けて治療を行うことがあります。
くぼみ・へこみの治療
ヒアルロン酸製剤の容積増大効果により、くぼみやへこみの治療ができます。加齢に伴い出現したこれらをヒアルロン酸製剤の注入により、少し前の自分の顔に近づくことができる、アンチエイジング的治療です。適応部位としては以下のようなものがあります。
・こめかみのくぼみ
・目の上のくぼみ
・法令線
・マリオネットライン
・目の下の段差
輪郭形成
ヒアルロン酸の容積増大効果を用いて、理想の輪郭に近づける治療です。加齢とともに、頬がたるみ、四角形に近づいてきた輪郭を逆三角形の若々しい輪郭に近づけます。必要に応じてボツリヌストキシン注射を併用することもあります。痩・頬・コメカミなどやや深い部位にヒアルロン酸を注入します。軽いリフトアップの効果もあり、二次的に法令線も浅くなります。より自然な若返り効果を希望する方には、この治療をまず行った後に、気になる各部位にヒアルロン酸製剤を注入していきます。
ボリューム増大
ヒアルロン酸の容積増大効果を用いて、気になる様々な場所をふっくらさせたり、高くしたりすることができます。適応部位としては以下のものがあります。
・唇をふっくらさせる
・涙袋をはっきりさせる
・鼻を高くする
・顎のボリュームを出す
・額に丸みを出す
当院で使用するヒアルロン酸について
顔面のシワや溝に対し、製造販売承認を取得しているアラガン社のジュビダームビスタシリーズをベースに信頼のおける製品を数種類用いて施術部位によって使い分けています。ヒアルロン酸の硬さなどの違いで注入に適した部位がありますので、注入部位によって使用するヒアルロン酸が異なります。
施術の流れ
① 問診票を記入していただきます
② 化粧のふき取り
③ 医師によるカウンセリング(既往や内服中の薬、肌の状態、施術可能かどうかなどのチェック)
④ 写真撮影(施術前の状態の記録)
⑤ 麻酔薬塗布・冷却
⑥ 注入部位のマーキング
⑦ 施術
⑧ 鏡での確認
⑨ 終了
リスク
内出血、アレルギー反応、しこり、硬結、発赤、腫脹、過矯正、血管閉塞、皮膚壊死、異物反応、段差、肌の色調の変化、球後出血、失明、神経障害、視神経・動眼神経障害など