咬まれた傷

大抵の場合、傷痕のことを一番に考え治療をする形成外科医ですが、
形成外科医ですら傷跡のことは二の次と考える場合があります。
それが

 

「咬まれた傷」です。

 

猫でも、犬でも、人でも、、

かみ切られたっていう場合はまた別なのですが、
咬まれた傷の場合は感染をコントロールすることが最優先事項になります。

通常形成外科医は少し幅のある切り傷は縫う選択をすることが多いのですが、咬み傷の場合縫わないことが多いです。

なぜなら縫うことによって傷の中のばい菌を閉じ込めてしまうことになるからです。

できる範囲で傷は解放し(開いたままにして=縫わない、もしくはちょっとだけ縫う)、
毎日傷を洗う。

傷の種類によってはキズパワーパッドなどを張りっぱなしという処置を勧めることがありますが,
咬み傷に対する湿潤療法は、ワセリン基材の軟膏などをしっかりと多めに傷に塗り、湿潤を保ちつつ、毎日処置をすることが多いです。

処置以外に大事なことが抗生剤の内服。
当院ではサワシリンとオーグメンチンを一緒に出すことが多いです。

腫れがひどい場合は点滴も考えなければいけないこともあります。

皮膚の傷はなくなったのに腫れている、そんなことが起こりうるのが咬み傷。
しっかり抗生剤を内服して行くことが大事です。

猫や犬にかまれたとなったら皆さん受診することがおおいでしょうが、
意外にも人の咬み傷も馬鹿にできないのです。

咬まれた傷、傷の大きさによらず、一度受診を勧めます。

 

2017.09.15